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原油価格が上がってはいけないというのは、上がった途端にアメリカが不景気になっちゃうからね。 ものすごく単純な話なんですよ。
自然のエネルギーを無限に供給していけば、経済はひとりでにうまくいっていた。 それを自由経済という美名でごまかしてきたのが、20世紀だったわけです。
ひとり当たりのエネルギー消費では、日米の差は、僕が大学を辞めるころには2倍あった。 ヨーロッパ人の2倍、中国人の十倍です。

科学の業績などをアメリカが独占するのは当たり前でしょう。 戦争に強いとか弱いとかにしてもね、日本は石油がないのに戦争をしたのだから。
9割以上の石油を敵国に頼って戦争をするのがどれだけ不利だったか、ということです。 それだけのことなのです。
それからこれも文科系の人は書かないことですが、ヒトラーがソ連に侵入した理由が、歴史の本を読んでもどうも分からない。 答えは簡単なことで、石油です。
当時もソ連は産油国だったのですよ。 11カサスの石油が欲しかったから、ドイツはスターリングラードを攻めた。
そこをはっきり言わないから色々なことが分からない。 日本の場合も、「持たざる国」と言い続けてきたけれども、根本にあるのは石油、つまりエネルギーの問題です。
古代文明を見てもそうでしょう。 木材に依存した文明の場合、最も大量に消費できたのは始皇帝時代の秦ですからね。
木を大量に伐採したから万里の長城が作られたわけですよ。 現在の砂漠化の要因をたどれば、この時代になるでしょうね。

ですから、環境問題の根本とは、文明というものがエネルギーに依存しているということです。 そしてそのときに、議論に出ない重要な問題があります。
それは、熱力学の第二法則です。 文明とは社会秩序ですよね。
いまだったら冷暖房完備というけれども、普通の人は夏は暑いから冷房で気持ちがいい、冬は寒いから暖房で気持ちがいいというところで話が止まってしまう。 しかし根本はそうではない。
夏だろうが冬だろうが温度が一定であるという秩序こそが文明にとっては大切なのだと考えるべきなのです。 しかし秩序をそのように導入すれば、当然のことですが、どこかにそのぶんのエントロピーが発生する。
それが石油エネルギーの消費です。 端的に言えば文明とは、ひとつはエネルギーの消費、もうひとつは人間を上手に訓練し秩序を導入すること、このふたつによって成り立っていると言えます。
人間自体の訓練で秩序を導入する際のエントロピーは人間の中で解消されるから、自然には向かいません。

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